ポリグルタミン酸型葉酸とモノグルタミン酸型葉酸2つの性質
ポリグルタミン酸型葉酸とモノグルタミン酸型葉酸2つの性質
葉酸は、ポリグルタミン酸型葉酸とモノグルタミン酸型葉酸を区別して呼ぶことがあります。ポリグルタミン酸型は食材に含まれる葉酸のこと。ポリグルタミン酸型が体内で変化すると「モノグルタミン酸型葉酸」と呼ばれます。モノグルタミン酸型葉酸は、体内で人工的に作られるので合成葉酸とも呼ばれています。2つの違いとしては、体内への吸収率が挙げられます。「ポリグルタミン酸型」よりも「モノグルタミン酸型」の方が約2倍の吸収率となっていて、この違いを利用しているのが葉酸サプリです。
ポリグルタミン酸型葉酸の性質
海藻類では焼きのりや味付けのり、野菜・きのこ類ではえだまめ、果物類ではライチやイチゴ、魚類ではうなぎの肝やいわし、肉類ではレバー、これらはすべて葉酸を多く含む食品になります。そしてすべて天然葉酸である「ポリグルタミン酸型」です。体内に摂取された「ポリグルタミン酸型」は消化の過程で「モノグルタミン酸型」に変化して吸収されるのですが、調理中の加熱や胃酸によって約50%が失われるといわれています。ですから、妊娠時に必要とされる480μgの摂取は、通常の食事ではかなり難しいでしょう。
モノグルタミン酸型葉酸の性質
「モノグルタミン酸型葉酸」は体外から摂取するのではなく、食品などから摂取した「ポリグルタミン酸型葉酸」が小腸の粘膜にある酵素によって「モノグルタミン酸型葉酸」に変換される仕組みとなっています。つまり、直接体に影響するのが「モノグルタミン酸型葉酸」となるのです。妊娠中に必要とされる葉酸は、すべてこの「モノグルタミン酸型葉酸」となるのですが、元となる「ポリグルタミン酸型葉酸」は胃酸で溶けるので、食品から必要な葉酸のすべてを摂取するのは難しいです。そこで「モノグルタミン酸型葉酸」を効率よく摂取する手段として、葉酸サプリの利用をおすすめします。
葉酸サプリの必要性
妊娠前~妊娠初期までの葉酸摂取にて、先天異常である胎児の神経管閉鎖障害などの発生リスクが低減することがわかっています。そのため妊娠1ヵ月以上前から妊娠3カ月までの期間には、食事摂取基準で示されている葉酸量1日240μgに加えて、サプリメントなどから1日400μgの葉酸を摂取するよう厚生労働省が推奨してます。妊娠中期・後期には食事摂取基準の葉酸量に加えて、葉酸サプリなどから1日240μg、授乳中は1日100μgの葉酸を摂取することが望ましいとされています。とくに授乳中に必要な理由は、葉酸には造血機能を維持する働きがあるため、血液から作られる母乳によい影響をおよぼすからです。
葉酸サプリの葉酸摂取率が高い理由
葉酸を体内に吸収するには、「モノグルタミン酸型葉酸」に変換される必要があります。逆にいえば、「モノグルタミン酸型葉酸」でないと体内には吸収されないということになりますね。この原理を利用しているのが、葉酸サプリです。葉酸サプリの成分は初めから合成葉酸の「モノグルタミン酸型葉酸」となっているのです。その理由は、何度も重ねての説明となりますが「モノグルタミン酸型葉酸」の方が、効率よく体内に吸収されるからです。